先日神津カンナさんの講演会に行った。「男女平等参画について考える」フォーラムのゲストで、「ハートフル・トーク~女と男の交差点」というタイトル通り、心温まる話を聞かせてくれた。
カンナさんは、女優中村メイコさんと作曲家神津善行さんの長女である。母方、つまりメイコさん方の曾祖母、祖母、母親であるメイコさん、そしてカンナさん自身や妹のはづきさんの生き方を、ユーモアたっぷりに楽しく話してくれた。
曾祖母は跡継ぎの男の子を産めないために離縁されたという。その経験から、女性でも1人で生きてゆける技能を身につけるべきだと痛感し、5人の娘は全員「職業婦人」になったとか。そのうちの1人、つまりメイコさんの母は女優さんになり、子供のメイコさんも幼少時から女優業を始めた。だがメイコさんは、神津さんと結婚する時には専業主婦になるつもりだったという。しかし、当時神津さんはまだ新進作曲家でメイコさんの方が収入が多く、結局仕事を続けることに。そしてカンナさん、はづきさんが生まれる。
カンナさんは、女優業と主婦業を懸命に両立している母メイコさんの姿を見て、自分にはこんな大変なことはできないと思ったという。そのせいもあり、現在まで独身だと笑っておられた。一方はづきさんは俳優の杉本哲太さんと結婚し、家庭に入った。なんでもはづきさんは、自分が母メイコさんにしてもらえなかったことを自分の子供には全部してあげたかったのだとか。だが最近は少しづつ仕事を再開し、一時は夫の哲太さんが「専業主夫」にまでなったとか。
こうして見てくると、4世代の間に確実に女性の生き方は変わってきている。曾祖母の時代には、女性の仕事は家事と子供を産むことだったが、今は社会に出て仕事を続けることも専業主婦になることも可能であり、夫も家事をする時代になった。カンナさんは、男女共同参画といっても、短期間に劇的な変化を望むのは無理であり、時間をかけてゆっくり進めていけばよいのではないかとおっしゃっていた。そのために、次の世代に確実にバトンを渡すことがわれわれの使命なのではないかと。
約1時間半の講演だったが、時間はあっという間に過ぎてしまった。カンナさんはきちんと講演の準備をされてきたようで、後半には、政府の諮問委員会や各種団体の幹部に女性が占める割合など、数字も紹介してくれた。最後に深々とお辞儀をされる姿にも仕事への誠実な姿勢が表れていて、いっぺんにファンになってしまった。会場は撮影禁止だったので、写真が撮れなかったのが残念である。
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