「ぱちんこ冬のソナタ」というチラシを見つけてしまった。近所のパチンコ店の宣伝だ。そう言えば去年、「冬ソナ」のパチンコ台が導入されたというニュースを聞いた記憶がある。しかも今、民放で「冬ソナ」を再放送中だ。自分も毎日録画しているので、ユジンやチュンサン、サンヒョクやチェリンは身近だ。これはもう会いに行くしかないだろう。
店内に入ったはいいが、前回パチンコをしてから10年以上たっている。当然玉の買い方もわからない。店内を早足で回っている若い店員に大声でたずねる。自動販売機でカードを買い、それを各台の横の差込口に入れ、手元のボタンを押すと玉が出てくるのだという。一番少額の1000円のカードを買って「冬ソナ」の台を探す。
台は10台ほどあったが、キャンペーン中のせいか2席しか空いていなかった。自分が1席を取り、学生風の青年がもう1席に座り、満席になった。ラッキーだった。
まず座るのに苦労した。なんと1人分のスペースが狭いのか。そもそも椅子が小さい。台と椅子の間が狭い。両脇の台、つまり両脇の人との間がほとんど空いていない。太った人は大丈夫なのかと余計な心配をしながら、体をねじってなんとか腰を下ろした。
自分は会社帰りで、さらにスーパーの袋を提げていた。当然そんなものを置くスペースなどない。ちらっと周囲を見るとみなほぼ手ぶらである。しょうがないので足元に置く。
次はコートだ。店内は暑いので脱ぐ。だが置く場所がない。丸めて足元のかばんの上に押し込んだ。
さてこれで態勢は整ったのだが、いざ台を前にしてみると、どこをどうすればいいのやらさっぱりわからない。玉の箱を抱えて走り回っている若い女性店員をつかまえ、カードの差込み口、玉を出すボタンなどを実際に教えてもらった。
玉を打ち始めると、台から音声が出たり、中央の3つのスロットが変わったりする。だがそちらに気をとられると手元がおろそかになり、玉のコントロールができなくなる。ユジンやチュンサンを見たい。だが見るとパチンコができない。しろうとのジレンマだ。
玉は半自動的にどんどん出ていくので、1000円分はあっという間になくなった。おそらく打ち始めてから5分もかかっていないだろう。正直「うそ。もう終わりか?」という気持ちだった。パチンコをやった気もしないし、「冬ソナ」の台を楽しんだ気もしなかった。
だが今の自分はこれ以上ここにいるべきではないと思った。3つのスロットはどうすれば揃うのか、揃うとどうなるのか、玉が入る場所によって違いはあるのか、各台の上にあるデジタル表示のデータは何なのか等々、ある程度仕組みややり方を理解しなければ楽しめない。パチンコに詳しい人に教えてもらわなければだめだと悟った。とはいえ、苦労して座ったのにたった5分で席を立つのも相当勇気がいった。両隣の人はさぞかし変な客と思っただろう。
結局「冬ソナ・キャンペーン」といってもどういうキャンペーンなのかわからぬまま店を後にしていた。持ち帰ったチラシによると、キャンペーン期間中「冬ソナ」の台で大当たりするとスタンプが1つもらえ、それが5つたまるとDVDプレーヤーや冬ソナ・グッズなどがもらえるらしい。それにしても、チラシに書いてあることが理解できず笑った。「大当たり」、「確変」、「チャンスタイム」――わからん。勉強が必要だ。
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